今年の日本カーオブザイヤーは?
今年もこの季節がやってきました。
日本カーオブザイヤーの発表です。
選考委員は自動車評論家や雑誌の直筆者となります。
今年は久々にトヨタ車となりました。
授賞理由
日本市場に復活となったグローバルカーのトヨタRAV4は新時代のSUVとしてあらゆるニーズに高いレベルで対応した。
3種類の4WDシステムなどのパワートレーンと最新のプラットフォームの組み合わせによる走りは快適性、楽しさともに秀逸。またラゲッジスペースは広く、使い勝手も良好。
さらにDCMを全車標準装備とした上でリーズナブルな価格設定としたことも高く評価した。
※DCM:Data Communication Module(専用通信機)
2019 – 2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表
1位
トヨタ RAV4
(トヨタ自動車株式会社)
436点
2位
マツダ MAZDA3
(マツダ株式会社)
328点
3位
BMW 3シリーズ セダン
(ビー・エム・ダブリュー株式会社)
290点
引用は以下公式HP
選考委員の清水和夫氏いわく、レクサスを超えたかも!称賛を与えています。
https://youtu.be/bjwjg86ow8E?t=38
清水和夫氏は、私もその深い考察で一目を置く自動車ジャーナリストですがここまでのコメントはなかなか出ない人という印象が強いです。
実は私も4月の発売当初から注目していました。
というのもトヨタRAV4などSUVのこのジャンルは世界的にも最も激戦区であり、国内のみならず海外ブランドも力を入れているジャンルの為、普通の仕上がりでは競争に打ち勝てないからです。
トヨタも十分それを分かっていたのでしょう。
トヨタRAV4では技術開発においても出し惜しみはしていないようです。
欧州競合に打ち勝つためには、新しさみのでは勝ち目はありません。
トヨタの新しいプラットフォーム技術のTNGAが功を奏した形となりました。
ザクっというとTNGAとは部位ごとに設計を標準化してシリーズ設計することを言いますが、ユニットを数種類に標準化することが出来るため、開発リソースを集約させ良い設計に費用をかけることが出来ます。
いままで高額で採用が難しかった構造をふんだんに使うことが出来ます。
例えば、サスペンションならマルチリンクやダブルウイッシュボーン構造など。
これまでのトヨタFFではストラットが主流でしたからね。
日産のマルチリンクやホンダのダブルウイッシュボーン方式に比べれば見劣りした感がありました。
また高価な材料(マグネシウム、アルミ、超ハイテン鋼など)も使っても量産効果が期待できるでしょう。
プラットフォームもレクサス、カムリ系のものを使用したことで、ダイナミクス面でも優位に働きます。
トヨタ得意のハイブリッドの効率向上を果たしていますが、基本となるエンジン性能を極限まで上げています。
熱効率を最大にするために、高速燃焼技術を取り入れましたが、エンジンの基本設計から刷新することになりました。
ガソリン車で高燃費をたたき出したエンジン技術をハイブリッド車にも惜しみなく投入しています。
ハイブリッド用のアトキンサイクルエンジンの熱効率は世界最高効率レベルです。
エンジンパワー、トルク、レスポンス、コーナリング性能などスペック上の数値も目標値を到達しており、物足りなさを感じる場面は少ないと思います。
さらに、ハイブリッドシステムだけに頼らないトータルの性能向上を目指したことで、レスポンスのよい官能性能も手に入れましたね。
これが自動車評論家には好イメージと映っています。
今回のRAV4開発にあたり、トヨタはTNGAで設計手法を刷新して、ありとあらゆる手段を施しましたが、ハード面だけではなく、運動性能にこだわっただけあり、かなりの走り込みをしたようです。
ここ最近の自動車は日本専用モデルというのは少なく、グローバルに戦える同一仕様で開発をしています。
世界各地のオフロードのみならず、オンロードでも欧州含め、過酷な道路の走り込みですね。
そのように開発の手綱を緩めることなく作り込んだことが、評価を高めた要因では無いかと考えますね。
国内セールス面も順調とのこと。あとはデザイン力でどう戦うかですね。
デザインについては、あまり冒険をしていない面があり、マツダ車などに比較すると今一歩な面も否めないです。
やりすぎると販売面のリスクがあるため、これは今後のトヨタの課題でしょう。
日本から良い車が発信できていることは、世界にむけて日本車の評価が高まるとともに、日本人の元気を取り戻すきっかけとなるかもしれません。
RAV4の技術開発面については、車雑誌などでも報じられていますが、さらに深く知りたいなら私の知人のこちらのサイトもご覧になってみてください。
さあ、もっといいクルマを増やし日本をもっと元気にしてゆきましょう。